パラパラの使いやすさと、肉のやわらかさが自慢の「パラパラミンチ」シリーズ。
株式会社コープデリフーズでは、技術を駆使した商品作りが毎日行われています。
「冷凍のひき肉を少量ずつ使えたらいいのに」という組合員の皆さんの声にこたえて、1992年に誕生した「パラパラミンチ」シリーズ。「個別急速冷凍」、通称「バラ凍結」と呼ばれる技術でパラパラの状態にしたひき肉をチャック付きの袋に入れた、使い勝手の良いロングセラー商品です。
製造元は、コープデリグループの株式会社コープデリフーズ バラ凍結商品製造施設・桶川IQF※1センター(埼玉県桶川市)。製造担当の澤柳勉さんに話を聞きました。
「このシリーズは定番の5種類を含め、商品は約20種類。多くの方にご利用いただき、1カ月に50万パック製造しています。私たちはコープの代表的な商品の一つを作っているという自負があります」と澤柳さん。
おいしさの秘密は、肉を高周波解凍機で解凍することで解凍ムラをなくす技術、肉を粗挽きして攪拌(かくはん)後に細かなひき肉にすることで、やわらかな食感が出せること、バラ凍結技術で短時間でパラパラに冷凍しているところにあります。
原料・加工・包装・それぞれの工程で記録を取り、規定外のものは次の工程に進めない厳しい管理のもと製造しています。
「お肉は、赤身・脂身の量が個体によってそれぞれ違うもの。それでも同じ質に仕上げること、違う人が作っても同じ商品を作ることが大事です。IQFセンターに入荷する原材料は、規定のルールにのっとりチェックを通過したもの。肉の温度を極力上げずに正しい配合で作る。機械での検査はもちろん、人の目でも見て、いつもと同じ質に仕上がっているかを確認して出荷しています」
食べるときには冷蔵庫に移して、ゆっくり解凍して使うのがおすすめ。ドリップ※2が出にくく、肉のうま味が逃げません。
「私たちは組合員の皆さんの声を直接聞くことはないですが、商品をお届けした職員が、『パラパラミンチ、とっても便利でおいしかったよ』とほめてもらえることが喜び。ひき肉は、老若男女に召し上がっていただける商品。いろんな方においしい・便利だと思ってもらえたらうれしいです」
ひき肉が主役の料理はもちろん、ほんの少し使いたいときにも、パラパラだから使いたい量だけ簡単に取り出せます。ご自宅の冷凍庫に入れておくならば、どのパラパラミンチを選びますか?
IQFセンターに入荷した原材料のかたまり肉を、外箱の状態・温度・賞味期限等のチェックを行った後に高周波解凍機で解凍します。高周波解凍機は、肉の表面温度と中心温度の差が少ない(±1度)状態で解凍できるため、解凍ムラがなくなり商品の仕上がりを均一にすることができます。その後、パーシャル庫(半凍結状態)でひと晩保管し、原材料を-4度ほどの状態にします。
パーシャル庫から出した肉は機械投入の前に一つ一つ目視点検を行い、血合いや小骨・ビニール片等の異物が付着していた場合は、手作業で取り除いてから機械に入れます(写真A)。粗挽きした後に攪拌し、その後3mmの挽目で加工します(B・C)。挽き出された肉は、コンベアーで運ばれてそのまま-30度のトンネルフリーザーへ。
コンベアーを通って-30度のフリーザーの中で個別急速冷凍されます。ひき肉は風で巻き上げられながら7分でパラパラに凍結(写真D・E)。一度機械に入れたら凍結まで人の手が触れることはありません。肉がだまになってしまうと、うま味が落ちてしまうため、だまにならないように、スムーズに流していくことが重要です。
金属探知機・X線検査で異物が混入していないかを検査し、袋のチャックシールが正しく付いているか、賞味期限などの印字が正しいか、さらに目で見て異物が入っていないかを確認し(写真F)、1日冷凍庫でしっかり冷やしてから出荷します。
【広報誌2021年5月号より】