北海道産の大豆を缶ごと蒸し上げて作る大豆ドライパックは、便利でおいしい!
食卓を豊かに彩る、活躍間違いなしの一品です。
開けたときの「パカッ」という音が真空だったことの証し。「CO・OP大豆ドライパック」は、豆の味がしっかりとして甘味があり、やわらかく、一粒一粒がほくほくとした食感。缶切りを使わずに簡単に手で開けられ、水切り不要ですぐに食べられます。始まりは今から32年前、大豆の水煮缶のリニューアルが決まったことでした。「どうしたらもっとおいしくできるだろうか?」。コープと、製造元のトーアス株式会社の担当者が悩む中、ヒントとなる製法を得て、1年かけて誕生したのが大豆ドライパックでした。
「発売当初は商品を知ってもらうために、組合員の皆さんに工場見学へ来てもらったり、食べ方を聞いたり、こちらも研究してレシピを提供したりしました。組合員の皆さんの力を借りることで、少しずつ広まっていきました」と振り返るのは、愛知県豊川市にあるトーアス株式会社 製造担当の嶋(しま)朋也(ともや)さん。
「作り始めた頃、さまざまな大豆で作ってみましたが、大豆の甘味を感じられる品種であり、年間を通して安定して量を確保できる、北海道産の『トヨマサリ』を原材料に選びました」と嶋さんは話します。
原材料の大豆は、まず細かい石やほこりを取り除いてから、一晩水につけて戻します(写真A)。「水戻しが不十分だと仕上がりがしわしわの豆になります。生産者による豆の違いや、季節によって水分の含有量に違いがあるため、豆が変わると必ず原料から1キロ取り出して試作します」と嶋さん。
水戻しの翌日、釜で下ゆでし(写真B・C)、あくを取ります。
その後、水にさらして、皮・割れ豆・虫食い豆・変色豆を機械で取り除き人の目でもチェック(写真D)、金属探知機を通してから、缶に充填(じゅうてん)していきます(写真E)。
重さを確認し、缶を密封しながら、同時に缶の中を真空状態に。缶ごと大型の機械に入れて、殺菌を兼ねて缶の中で蒸し上げます(写真F)。
水を加えていないため、蒸し上げ時に栄養成分が外に流れ出ません。完成したら真空状態や重さを再度確認し、缶を乾かして賞味期限の印字とX(エックス)線検査を経て出荷です。
1994年には缶切り不要のイージーオープン缶に変え、今から5年前にさらに開けやすく改良しました。時代の変化に合わせ少量のパウチタイプも登場、新シリーズも増えています。
「作っている私たちも、本当においしい商品だと思っています」と嶋さん。サラダやスープはもちろん、つぶしてひき肉料理に混ぜると、肉だけよりもさっぱりした味わいが楽しめます。ぜひ、毎日の食卓にご活用ください。
大豆を水で戻してから、20分ほど下ゆで
選別・計量して缶に詰めます
高温で加熱すると、缶の中で蒸し上がります
【広報誌2020年8月号より】