

「産直 淡路島たまねぎ」生産者の1人、榎本精治さん。
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独自の気候と風土、そして品種改良や栽培技術の発展が生み出す淡路島たまねぎ。
甘くてやわらかいのが自慢です。
兵庫県・淡路島は瀬戸内海に浮かぶ最大の島。日照時間が長く、年間を通して温暖な気候を生かし、米やレタスなどさまざまな農産物を栽培しています。中でも甘くてやわらかく、大玉のたまねぎは全国でも人気で、2010年には「淡路島たまねぎ」の名称で地域団体商標を取得。淡路ビーフなど、数ある特産品の中でも高いブランド力を維持しています。
「淡路島は海底が隆起してできたから、土壌のミネラルが豊富。しかも程よく砂質で水はけがいい。そして温暖な気候と長い日照時間。たまねぎ栽培の好条件がすべてそろっています」と話すのは、あわじ島農業協同組合(JAあわじ島)で玉葱部会の部会長を務める榎本精治さん。
「4カ月で生育するところを、6カ月かけてじっくり育てていることもあるでしょう。だから淡路島のたまねぎは甘くておいしい」と榎本さんは胸を張ります。
約1500戸あるたまねぎの生産農家は、ほとんどが規模の小さい兼業農家。現在は農業に専念する榎本さんも、定年退職までは中学校の校長でした。
「専業になって7年目。まだまだ若造です」と笑います。
農業が盛んな島南部の耕地は、ほぼ100%が田んぼ。限られた農地を有効に利用するため、古くから稲刈り後の田んぼで野菜を育てる二毛作が行われてきました。毎年同じ場所で同じ野菜を作ると土壌のバランスが崩れて生育が悪くなりますが、夏場の水稲での水が、そうした連作障害を防いでいます。畜産業も昔から盛んで、稲作農家と畜産農家が稲わらと牛ふんを交換。それぞれ牛の餌と有機肥料として無駄なく活用しています。110年以上続くこの水稲・たまねぎ・畜産の生産循環システムは、2021年に日本農業遺産に認定されました。
淡路島の気候を生かした工夫は収穫後にも。収穫したてのたまねぎは水分量が多いため、「たまねぎ小屋」で乾燥させてから出荷します。「山を抜けてカラカラに乾いた海風にさらすことで甘みが凝縮し、乾燥した表皮が内側のみずみずしさを守るバリアとなって保存性も良くなります。乾燥の間に田んぼの代かき※や田植えを進められるからちょうどいい」。
長年の積み重ねによる品種改良で、島内では収穫時期の異なるさまざまな品種を栽培。「4~5月の新たまねぎは、みずみずしくサラダがおすすめ。6月以降に出荷する品種は加熱すると甘さが引き立ち、カレーに入れるとすごくおいしい」とのこと。島の恵みがぎゅっとつまった「産直 淡路島たまねぎ」を、ぜひ試してみてください!
9月下旬から10月中旬にかけて、種をまいて屋内で育てます。3~4日で発芽したら日当たりの良い苗床に移し(写真A)、乾燥を防ぐためもみ殻をまき、防風ネットをかぶせます。10日ほどかけて芽が大きくなったら防風ネットを外し、適度に葉を刈りながら1カ月ほど育てます。
11月から1月にかけて苗を植え付け(写真B)、水やりをしながら根付かせます。ひと月おきに表面を浅く耕して硬くなった土をほぐし(C)、通気性と排水性を高めながら除草、追肥します。
追肥をやめると葉の成長が止まり、球が急速に肥大して土の上に顔を出します(写真D)。球に栄養を送り終えると葉が付け根から倒れるので(E)、球が肥大し切ったら収穫(F)。その場で1~2日天日干ししてから拾い上げてコンテナに入れます。「約20kgのコンテナを畑からたまねぎ小屋に移すのが最も大変。普段は夫婦二人ですが、このときばかりは息子が手伝いに来ます」

みずみずしい新たまねぎは乾燥させずに出荷しますが、5月以降に収穫するたまねぎは風通しの良い小屋で1カ月ほど乾燥貯蔵(写真G)。葉と根を切って選別し(H)、出荷します。「昔は一つ一つひもに結びつけてつるし干し。コンテナ貯蔵になった今も、風通しの良いたまねぎ小屋を使い続けています」

稲刈りが終わった10月初旬から牛ふんを使った堆肥や発酵させた稲わらをすき込みます。「十分に発酵した稲わらをすき込むと、土がふかふかになります」
【広報誌2026年7月号より】