

国産エリンギの食感とまいたけの香り、じゃがいもとたまねぎのうまみ。
まろやかな口どけのポタージュは、牛乳を加えて温めるだけの手軽な逸品です。
温かいスープがおいしい季節ですね。「CO・OP 国産きのこを味わうクリーミーポタージュ」は、おいしさにこだわったコープクオリティ商品。牛乳を加えて温めるだけで、本格的な味わいを楽しめると大人気です。原料には生のエリンギと水煮のまいたけ、ぶなしめじから作ったエキスを使用。まいたけは2種類の大きさにカットして食感に変化をつけ、じゃがいもやたまねぎのうまみも楽しめます。
開発を担当した理研ビタミン株式会社(東京都新宿区)の藤井淳介さんには、以前からうまみたっぷりのきのこスープの構想がありました。しかしうまみは認められたものの、「もう一工夫ほしい」「もっと具だくさんに」と却下続きに。諦めかけながらも“エリンギを生で仕込む”という提案をすると、OKが出て一気に話が進んだといいます。
「結局、開発に1年半かかりました。生の材料を使うことは珍しいのですが、エリンギを生から工場でゆでることで、具材感とうまみの感じられる、コープクオリティらしい商品ができあがりました」

理研ビタミン株式会社 草加工場 食品技術開発部 藤井淳介さん

左から株式会社アーデン 技術品質管理室 美齊津哲也さんと得意先部 市川一則さん
仕入れるきのこはすべてホクト株式会社(長野県長野市)製。「きのこエキスはホクト社と理研ビタミンが共同開発したもので、廃棄していたぶなしめじの軸や石づきを活用したもの。このエキスのうまみをベースに仕上げました」と藤井さんは胸を張ります。
たまねぎはあめ色になるまで炒めて甘みを出したもの、蒸してすりつぶしうまみを出したもの、刻んでシャキシャキ食感を出したものと3種をブレンドするこだわりよう。とろみ加減にもこだわり、原料に焙焼小麦粉を使っています。「家庭でホワイトソースを作るとき、小麦粉を炒めますよね。あらかじめ加熱(焙焼)した小麦粉を使うことでその風味を再現でき、香ばしく口どけの良い仕上がりになります」
製造する株式会社アーデン(長野県小諸市)はホクト社のグループ会社で、きのこを使ったレトルト商品を多く手掛けています。同商品に携わる美齊津哲也さんと市川一則さんは、「この商品は、開発段階から藤井さんにいろいろ相談されました。藤井さんが意図した味や食感を間違いなく実現できるよう、具材量は31%に。これは充填できるギリギリなんです」と振り返ります。
3社が協力して作り上げたポタージュは、食べごたえ十分。ディナーはもちろん、朝食にもおすすめです。
前日に生のエリンギ(写真A)をゆでてサイコロ状にカット(B)。まいたけ水煮も同様に大きさ別にカットします。金属検出器を通し、異物の混入がないことを確認しておきます。

バター、あめ色たまねぎ、たまねぎペースト、刻みたまねぎを投入、加熱しながら混ぜていきます。まいたけとエリンギ(写真C)、サイコロ状にカットしたじゃがいもを入れてさらに混ぜます(D)。最後にきのこエキスなどの液体調味料と焙焼小麦粉を投入。スープにとろみが出てきたら加熱を止めます。

タンクから一部を抜き取って理化学検査で品質に問題がないことを確認。充填し(写真E)、重量検査機を通します。
商品を並べたトレーを積み上げ(写真F)、大きな釜に入れて加圧加熱殺菌します(G)。

水で冷却してからエックス線検査を通し、箱詰め。倉庫に保管し、2週間後に菌検査を実施、パッケージ内で菌の発生・増殖が起こっていないことを確認してから出荷します。
❶ 原料や製造方法などおいしさの理由が明らか
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❸100人規模の組合員モニターの8割以上がおいしいと評価
この商品は2024年2月に実施した組合員テストで、95.9%の組合員の皆さんが「おいしい」と回答しました。
【広報誌2025年12月号より】