対談:「国際協同組合年」を語る。 対談:「国際協同組合年」を語る。

気温上昇を止めるための個人でできる10の行動

熊﨑国連ではどのような取り組みをされているのでしょうか。

根本SDGsがピンチと申し上げましたが、国連では仕組みレベルでの変革に力を入れています。現状を打破するゲームチェンジャー(流れや状況を大きく変える存在)になるようなインパクトの大きなことに、加盟国の政府と一緒に取り組もうとしています。その中で6つの領域の変革を掲げました。食料システム、気候変動、生物多様性の保全などの環境対策、デジタル化、教育、再生可能エネルギー、社会保障と雇用です。
食料システムを1番最初に掲げ、原料の生産から消費そして廃棄まで、サプライチェーンの全てを持続可能なものに変革しようとしています。食はそれほど波及効果が大きいのです。
コープデリグループのビジョン2035でも「食べるしあわせ」と、食を中心に据えてくださっていると拝読しました。

国連広報センターの根本所長の写真

熊﨑ビジョン2035は、若手職員31人のワーキングチームを中心に、組合員の意見を取り入れながら策定しました。「食べられる」ではなく「食べる」でいいのかと、随分、議論をしました。食べるときに産地や生産者、製造者などさまざまなことに思いを寄せ、大きな意味で、食べることで皆がしあわせになれる、そんな世界をつくりたいと掲げたものです。

「個人でできる10の行動」

根本国連では気温上昇を止めるために「個人でできる10の行動」を提案し、世界中に呼びかけています。廃棄食品を減らすであったり、環境に配慮した製品を選ぶといったことも呼びかけています。いずれも国連のさまざまな統計やデータに裏打ちされており、簡単にできることをピックアップしてまとめたものです。

熊﨑呼びかけと取り組みは生協の出番かもしれません。生協は事業体であり、日本最大の消費者団体でもあります。事業活動と消費行動の相乗効果を生み出せることが強みです。コープデリグループには、540万人の組合員と2万5000人の役職員がいます。一人ひとりの組合員と役職員が、社会や環境のために「私は何ができるだろう?」と、ともに考え、行動することも、国際協同組合年として期待されているのではないでしょうか。

根本もちろんそれもあります。生協は組合員さんのくらしに寄り添いながら、SDGs推進の旗振り役も担える存在です。

熊﨑次の未来のために、組合員とともに学び、一歩、踏み出せるように頑張っていきます。