ごあいさつ

コープデリ連合会理事長 熊﨑 伸

 

  関東信越6生協が加盟するコープデリ連合会は、会員生協の宅配や店舗運営の本部機能を担い、商品調達や物流、システム、人事など幅広い分野で共同化を進め、事業連携の要としての役割を果たしてまいりました。1992年の創立から30年を経て、会員生協の組合員数は530万人、事業高は6,100億円規模となりました。

  コロナ禍に端を発した世界的な生産減少や物流遅延・混乱は回復基調にあるものの、国際情勢の悪化に伴い先行きが今なお不透明です。食料・資材やエネルギー不足は急激な物価の上昇を招き、消費者・組合員のくらしを取り巻く状況はいっそう厳しさを増しています。生協の事業環境も例外なく悪化する中、食のインフラを担う事業者として安定した経営基盤を維持すべく、難しいかじ取りが求められています。このような時代だからこそ組合員のくらしに貢献し続けるため、会員生協、全国の生協と力を合わせ、くらしを応援する取り組みを進めてまいります。

  世界的な食料・エネルギー不足は、これまで先送りにしてきた数々の問題を顕在化させました。気候変動や平和の危機、低迷する食料自給率、貧困と格差の拡大など、生協としてさまざまな課題に対応するため、2021年に「コープデリグループのSDGs重点課題~2030年までの長期課題と中期方針~」を策定しました。SDGsはコープデリグループの理念・ビジョンと同じ方向を目指すものであり、これまで積み重ねてきた取り組みをさらに前へ進めるものです。私たちは「未来へつなごう」をスローガンに、事業と活動を通して目標の達成を目指してまいります。

  組合員のくらしと地域社会に貢献し続けるためには、職員が元気に働き続けられる職場づくりが不可欠です。コープデリ連合会は、職員1人ひとりの多様性が尊重され、安心して働き続けられる職場づくりを進めるため、「健康経営」を推進することを宣言しました。これまでの取り組みに加え、健康でやりがいを持てる職場づくりにさらに取り組むことで、職員の成長と組織の成長につなげます。

  くらしや事業を取り巻く環境が大きく変化する中、コープデリグループとして次期ビジョン「ビジョン2035」の検討を進めています。コープデリグループの各生協と協力し、くらしへの願いやコープへの期待・要望の声を寄せていただき、グループ530万人の組合員と2万5,000人の職員が一緒に掲げるビジョンにしていきたいと思います。

  コープデリ連合会は、これまで積み重ねてきた会員生協との連帯を基盤に、会員生協の事業・活動を支え、より強靱なコープデリグループの構築を目指します。これからも、消費者・組合員の輪を広げ、地域の皆さま、生産者・取引先の皆さま、行政・諸団体の皆さまとのパートナーシップを強め、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

2023年6月

コープデリ生活協同組合連合会

代表理事 理事長 熊﨑 伸