関東信越6生協が加盟するコープデリ連合会は、会員生協の宅配や店舗運営の本部機能を担い、商品調達や物流、システム、人事など幅広い分野で共同化を進め、事業連携の要としての役割を果たしてまいりました。会員生協の組合員数は520万人を超え、事業高は6,100億円規模となりました。
新型コロナウイルス感染症は感染拡大を繰り返し、私たちの暮らしは今も翻弄され続けています。コロナ禍に端を発した世界的な生産減少や物流遅延・混乱は、軍事的緊張の高まりで先行きがさらに不透明になっています。食料、資材やエネルギー不足は、急激な物価の上昇を招き、消費者の家計を圧迫しています。また、事業コスト上昇は生協の事業環境も例外なく悪化させ、いっそう厳しさが増しています。消費者・組合員の暮らしを守りながら安定した経営基盤を維持すべく、食のインフラを担う事業者として難しい舵取りが求められています。
生協はこれまで、組合員とともに平和を願う取り組みを続けてきました。2022年2月、ロシアはウクライナへ軍事侵攻を開始しました。この暴挙は断じて許されるものではありません。人々の命と暮らしを踏みにじる行為に、私たちは深く心を傷めています。
国際社会は、軍事的緊張の高まりにより深刻な危機に直面することとなり、最も危うい時代に逆戻りしたと認識しなければなりません。平和に向けた国際社会の最大限の努力が強く望まれます。
私たちが享受し続けたきた現代の消費社会が、地球資源を徒費し、自然環境に回復不能なレベルにまで負荷をかけています。食料システムや生物多様性、貧困と格差拡大、人権の問題などの社会的な課題をも内包して、もう後戻りできない厳しい事態に至っています。
コープデリグループでは昨年「コープデリグループのSDGs 重点課題 ~2030年までの長期課題と中期方針~」を策定し、「未来へつなごう」をスローガンに掲げました。温暖化防止など、生協の事業と活動の過程で生じる環境負荷の低減に努めるとともに、持続可能な未来にむけ、消費者の組織として、また事業者として、積極的な役割を果たしてまいります。
コープデリ連合会は2022年に設立30周年を迎えました。30年間積み重ねてきた会員生協との連帯を基盤に、より強靱なコープデリグループの構築をめざし、会員生協の事業や活動を支え、より豊かな社会づくりに貢献してまいります。
「食卓を笑顔に、地域を豊かに、誰かからも頼られる生協へ。」。これからも消費者・組合員の輪を広げ、地域の皆さま、生産者・取引先の皆さま、行政、他団体の皆さまとの連携を強め、持続可能な社会づくりの取り組みを進めてまいります。
2022年6月
コープデリ生活協同組合連合会
代表理事 理事長 土屋 敏夫