人と人 つながりの物語 コープデリグループの組合員数は約550万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。人と人 つながりの物語

エピソード68「ありがとう」の代わりに

2026年8月20日 UP

Facebookシェアボタン
エピソード68のイラスト

8年前に60歳で退職した埼玉県在住のYさんは、妻と息子の3人暮らし。朝からメジャーリーグの試合をテレビ観戦し、週に1度は息子と将棋を指す。2カ月に1度は施設で暮らす母を兄弟で訪ねておしゃべりに花を咲かせ、帰りにレストランで食事をする。「70年近く生きてきて、今が一番楽しい」と、穏やかなリタイア生活を満喫している。定年後に始めた料理も楽しみのひとつだ。

共働きだったため、同居していた母が主に3度の食事を作ってくれていた。家事や育児の多くは妻が引き受けていた。申し訳ない気持ちがずっと心の片隅にあったYさん。退職後、母の入院をきっかけに、家族の朝食と昼食を用意するようになった。朝食はご飯・みそ汁・納豆が定番。料理経験がゼロだったYさんには簡単ではなかったけれど、作るのはみそ汁だけなので何とかなった。市販のカット野菜を駆使し、妻が育てる野菜を入れることもある。問題は昼食。失敗せずにおいしいものを、と思うと、どうしてもラーメンや焼きそば、うどんなど簡単なもの、出来合いの弁当ばかりになってしまう。料理本を見ても自分に作れるとは思えず、レパートリーを増やすことをYさんは諦めかけていた。


しかし3年前からは、自信をもっていろいろなメニューに挑戦できるようになった。きっかけは、偶然目にしたコープデリ宅配のチラシ。お得な冷凍食品の中に好物の中華料理を見つけてコープみらいに加入し、商品カタログ『ハピ・デリ!』で「コープデリミールキット」の存在を知ったのだ。

「最初に頼んだのは、レバニラ炒めと八宝菜と酢豚。こんなに簡単に作れるんだ!と感動して、それ以来ずっと利用しています。材料は全部切ってあるし、調味料も計量済み。書いてある通りに作るだけで、外食並みにおいしくできる。調理時間は10分~15分程度。それでかも鍋とか作れちゃうんです。家に届けてもらえて、値段も市販のお弁当と大差ありません。それなら私は作りたいんです。料理に慣れている人からすれば大したことではないでしょう。妻も褒めてはくれません。でも、任せてくれています。毎日楽しく暮らせるのは、ミールキットのおかげ」


配達のある日は、パソコンで組合員のコメントを参考にしながら1週間分のメニューを考え、メニューが決まったら『ハピ・デリ!』を切り抜いてメモ代わりにノートに貼り付ける。これを見ながら注文するので、前週に頼んだメニューとかぶらずに注文できる。「ミールキットだけでなく、麺類ならあんかけラーメン、ちゃんぽん、皿うどんなど種類が豊富で、『ハピ・デリ!』を眺めるだけでも楽しい」とYさんは笑う。妻や息子はあまり感想を言わないけれど、満足しているように思える。だから食後の食器洗いも苦にならない。

感謝やいたわりの気持ちを言葉にしたり、一から料理を作ったりするのは難しい。でも、ミールキットを使った料理なら頑張れるし、達成感もある。「私が家族の役に立つのはこれだけだから、動けなくなるまでは続けたい」と話すYさんの姿は、すっかり台所になじんでいる。

エピソード68のイラスト

illustration:Maiko Dake

※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。

こちらも読んでみる

人と人 つながりの物語

職員との心に残る出来事を随時募集しています。

エピソードを送る