人と人 つながりの物語 コープデリグループの組合員数は約540万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。人と人 つながりの物語

エピソード49心の支えになる出会い

2024年10月17日 UP

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エピソード49のイラスト

70代のKさんは、「みらいひろば勝どき」で若い仲間と出会い、充実した日々を送っている。「最近のお母さんはすごい。ママチャリでさっそうとお子さんを迎えに行って、買い物をしてごはんを作って、世の中にも広く目を向けて、自分の好きなこともして。私が若い頃はそんなバイタリティはなかったので、ただただ尊敬です」

6年ほど前から通っている東京・四谷の太極拳グループがコープと関わりがあり、四谷で開催しているみらいひろばを紹介された。そして引っ越しを機に、昨年から東京都中央区の「みらいひろば勝どき」に参加するようになった。
「勝どきの皆さんはお若いんですよ。30~40代くらいかしら。若い方のお話を聞けるのが本当にうれしくて。今の時代のことを教えてもらえて、新鮮です」

家族の事情で都心に引っ越すことになったが、転居先の周辺はオフィス街で、「人が住むようなところじゃない」となじめずにいた。でもみらいひろばでの出会いで、「このまちにも普通の人々が暮らしている。人の営みがあるんだ」と実感できた。初めて参加した日、「この辺りは高層ビルばかりで、普段の買い物ができるお店がない」とこぼしたら、「八百屋さんもお肉屋さんもありますよ」と一人の女性が帰りがけに店まで案内してくれた。徒歩のKさんに合わせて自転車を押して歩き、携帯電話の番号も教えてくれた。「困ったらいつでも連絡してくださいね」という一言が、慣れない土地で孤独を感じていたKさんの胸に温かく広がった。

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アメリカで暮らす娘さんに話すと、「そんなに親切にしていただいたならお礼にこれを差し上げて」と、娘さんが帰国の際にエコバッグを持ってきて、それを後日女性にプレゼントした。年に1~2回しか会えない高齢の母親を心配する娘さんにとって、その方の親切はKさん本人と同じくらいうれしく、ありがたかったに違いない。

みらいひろばのメンバーが最初から親切にしてくれた大きな理由は、コープが関わっているからではないかとKさんは考えている。「若い方が年寄りを受け入れるのは難しいと思うんですよ。何をするにしてもスピードが違うでしょ。調べものもパパッと検索して、あっという間に見つけて教えてくれますし。そんな皆さんが初対面の私に親切にしてくれたのは、たぶんお互いにコープを利用する者同士、信頼感があったからじゃないかと思います」


夫の転勤で海外を含め10回以上の転居を経験してきたKさんは、一から人間関係を築くことには慣れているほうだ。ボランティア活動にも熱心で、以前住んでいた名古屋では視覚障害者のための音声訳を10年以上続けた。でも、年を取ると新たに友達を作るのは簡単ではない。子どもがいないと学校のつながりがないし、ボランティアという歳でもなくなった。

でもみらいひろばでは、行くたびに気楽なおしゃべりを楽しんでいる。区から健康診断の案内が来て、どの病院に行くべきか迷ったときも、「ここがいいよ」と教えてもらえた。
「お友達ができるのはありがたいこと。やっぱり、つながりを持っていたいですから」。困ったときに相談に乗ってくれる人がいる。自分のことを気遣ってくれる人がいる。その安心感と喜びが、Kさんを支えている。

※みらいひろばはコープみらいが開催している、組合員・地域の方が誰でも参加できる集いの場。地域により名称や参加方法は異なります

illustration:Maiko Dake

※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。

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