人と人 つながりの物語 コープデリグループの組合員数は約530万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。人と人 つながりの物語

エピソード39僕はほぺたんを好きになった

2023年9月21日 UP

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エピソード39のイラスト

「あ!僕の絵がトラックに載ってる」「そうちゃん本当だねー。すごいねー!」7月のある木曜の夕方、東京都練馬区で暮らす小学4年生の武藤奏佑そうすけくん(9歳)と母・祝子のりこさんは、自分の絵がコープの宅配トラックに描かれているのを初めて目のあたりにした。

2023年3月、コープみらいは誕生から10周年を迎え、その記念にラッピング宅配トラックの制作を決めた。そして組合員の皆さんから絵を募集したのだ。76ある宅配センターごとに1枚の絵が選ばれ、たくさんの絵がトラックを彩った。

奏佑くんはお父さんと日曜日に絵を描くのが大好きだ。家のリビングには父・文彦さんが描いた油絵や、奏佑くんが母の日に描いた花の絵など、何枚もの色彩豊かな絵が飾ってある。5歳からピアノ、現在はドラムも習っていて、彼の夢はピアニストになること。かっこいい音楽が好きなのだ。

祝子さんがコープの宅配利用を始めたのは5年以上前だから、家族のいつもの商品はコープのものだ。
「宅配は生活に欠かせないです。いつも水を2~3ケース、パン、牛乳、たまご、チーズも注文しています。家族全員が大好きなのは『香港ギョーザ』。コープさんがいなかったら大変だったなって思います。配達担当の長谷川さんは、ご自身もお子さんがいるんですよね。奏佑にもいつもやさしく話しかけてくれるし、よく近所で会うみたいです」と祝子さん。

祝子さんは、ラッピング宅配トラックの絵を募集していることを長谷川さんから聞き、奏佑くんに「描いてみたら?」と提案した。


「ほぺたんを描くことにして、ほぺたんのことをタブレットでお父さんと調べた。どんな風に描こうかって相談しながら見て、たくさん練習しているうちに、ほぺたんのことが好きになりました」と奏佑くん。
「きなこはほぺたんの愛犬でしょう?そうしたらいつも一緒にいるはずだから、ほぺたんときなこを描こうってお父さんと話しました。最初はほぺたんときなこが抱き合っている絵にしたかったんだけど、『COOP』と『10』ってどこかに入れたいねって話して、風船を描けば字が書きやすいねってなって、風船を持っているところにしました」と続ける。

奏佑くんはお父さんと日曜日ごとに13枚ものほぺたんを描いて練習し、最後にパステルで絵を仕上げた。「パステルは、力を入れると濃く色が出て、入れないと薄い色になるところが好き」という。

描いた絵をクリアファイルに入れて、長谷川さんに渡した。長谷川さんは奏佑くんの絵を見て「これ、映えるからいけそうですね」と言った。そして後日長谷川さんから、ラッピング宅配トラックに掲載される絵として選ばれ、さらに最優秀賞に選ばれたと聞いた。
「とにかくうれしかったです」と祝子さん。

初めてできあがったトラックを見た奏佑くんは、こんなにたくさんの絵がある中で、自分が描いた絵が最優秀賞だということにびっくりした。
「ほぺたん、いっぱい描いたものね。だからきっといい表情で描けたんだよ」と祝子さんが笑顔で続けた。

奏佑くんが見せてくれたのは、幸せなパワーあふれるほぺたんときなこの姿だった。好きなことは一生懸命やる。奏佑くんの持つエネルギーが具現化したようだ。

このラッピング宅配トラックは、2024年3月まで町を走る。

エピソード39のイラスト
奏佑くんが描いた実際の絵

▲ 奏佑くんが描いた実際の絵

illustration:Maiko Dake

※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。

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