人と人 つながりの物語 コープデリグループの組合員数は約530万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。人と人 つながりの物語

エピソード36かわいい花束

2023年6月22日 UP

Facebookシェアボタン
エピソード36のイラスト

埼玉県ふじみ野市に、園児たちへの食育を大切に考えている保育所がある。ちびっこランドふじみ野園だ。コープの宅配を法人利用※1して配達は週2回。株式会社トラストシップ※2社員の及川高志さんが届ける食材やコープ商品で、約20人の子どもたちのために、昼食とおやつ、補食を作っている。配達時間はだいたいいつも午前10時半頃で、栄養士の新井里美さんが園の玄関で食材などを受け取る。献立を決めているのも新井さんだ。
「給食は週に一度は必ずお魚の日を作って、あとはお米、麺類、パンなどいろいろなものを食べてもらえるように考えて作っています。大人向けの料理に比べて味付けは薄めにしますが、鶏もも肉で作ったから揚げとか、照り焼き、ねぎ塩焼きは人気ですね。コープさんの骨取りのサーモンもみんな大好きで、普通に焼いたり、みそ焼きにしたりしています。野菜もいろいろなものを食べてほしいし、切り干し大根や、ひじきの煮物、ナムルなんかも作ると結構みんな食べてくれるんですよ」と新井さん。

園長の若井ひろこさんがこう続ける。
「園児たちには“食”への関心を持ってもらいたいと考えて、月に1回『食育の日』を作っています。お食事のマナーなども学ぶんですけど、ひなまつりのちらし寿司や、お正月のおせち料理をみんなで小さいエプロンと三角巾をして仕上げたりするんです。その姿、かわいいですよー」


ある日、及川さんがいつも通りに配達に行くと、いつもはいない園児たちや先生方がやってきて、かわいらしい紙の花束を渡された。「いつもおいしいお野菜をありがとう!」と先生たちが言った。
「普段から受け渡しのときにも特別に会話するというわけでもなかったので、及川さんは突然のことでびっくりしたみたい。はずかしそうでした」と新井さん。

その日は勤労感謝の日だった。若井さんがいう。
「子どもたちに勤労感謝の日について話して、『いつもお世話になっている人にお花を渡そう』といって、『警察のおまわりさん、月2回英語を教えに来てくださっているネイティブの先生、それからいつもたくさんの食材を持ってきてくれるコープのお兄さんにもお礼をしようね』と、渡すことにしたんです。コープのお兄さんに渡すお花を作ったのは0歳から1歳のクラスの子たち。みんなでお花紙をくるくるっと丸めてお花に見立てて、先生が台紙を作って貼り付けて花束を完成させました」

エピソード36のイラスト

若井さんは、人に感謝できる人に育ってほしい、また日本の文化を大切にする人に育ってほしいという願いを込めて園を運営している。
「給食は、基本的には全部コープさんに配達してもらったものでまかなっています。助かっています。でももっと子どもたちが食べられるお魚の種類が増えたらいいな、季節のお野菜もたっぷり取り入れて給食を提供できたらいいなと思っています」と若井さんは笑顔で話す。
「私はお昼に子どもたちが食べている様子をいつも見に行くんです。『これが嫌いだけど今日は1個だけ食べたよー』とか言ってもらえるとうれしいです。苦手な食べ物も少しでも食べてもらえるようになってくれるとうれしい」

新井さんも笑顔でそういった。
かわいい花束は「うらやましい!」と及川さんの所属する東所沢センターで話題になった。

※1 学童保育、保育園、幼稚園、福祉事業所などの法人施設に商品を配達するサービス

※2 コープデリ連合会の子会社で、委託され配達を担っている

illustration:Maiko Dake

※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。

こちらも読んでみる

人と人 つながりの物語

職員との心に残る出来事を随時募集しています。

エピソードを送る