人と人 つながりの物語 コープデリグループの組合員数は約530万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。人と人 つながりの物語

エピソード33毎日のコープ

2023年3月23日 UP

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エピソード33のイラスト

コープデリ宅配には、週に1度注文した商品をお届けする「ウイークリーコープ」と、週に3~5日お弁当などをお届けする「デイリーコープ」がある。どちらも幅広い年齢層の皆さんにご利用いただいているが、毎日のおかずやお弁当がだいたい決まった時間に届くデイリーコープは、多くの高齢者の方々に重宝していただいている。クリスマスにはささやかなクリスマスケーキを、敬老の日には紅白のお饅頭を、お弁当などに添えて配達担当の職員たちから手渡すことになっている。昨年は12月23日が金曜日、少し早いクリスマスケーキを、デイリーコープご利用の組合員の皆さんにお届けした。

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「今日はクリスマスケーキをいただけたのね。お気持ちがうれしいですよ。季節を感じられますね」と語るのは、この日ケーキを2つ受け取った板橋区の川沿いのマンションで暮らす下川恵美さん。今年72歳で10歳年上の夫と2人暮らしだ。週5日はデイリーコープでおかずとサイドメニューを、木曜日はウイークリーコープの配達を楽しみに待つ。
「母と同居するために22年前ここへ引っ越してきて、母は7年前、95歳で他界しました。その頃、私が腰を悪くしちゃったんです」


下川さんが腰を傷めた原因は日々の買い物だった。
「原因はたぶん、毎朝食べるヨーグルトをスーパーでまとめ買いして運んでいて。猫のトイレ用の砂を買ったり、本当に重いんですよ。ご近所の方と野良猫を保護する活動をしていたんです。その方は亡くなってしまって今は1人でやっているんですけど、今もうちに4匹います。あるとき、『コープの宅配では猫砂も売ってるよ』って教えてもらったんです。ウイークリーも、ペット用品やいろいろな土地のおいしいものも買えるし助かっています。

夫と2人の生活になって、チラシを見た夫が『お弁当どうだろう?』って言ってくれて。それから平日はおかずを注文して、土日は配達がないからミールキットなどを活用しています。特に酢豚なんて、私が作るよりおいしいって夫は言ってますよ」と朗らかに笑う。
「どの方もきちんと配達してくれているけど、特に上山さんがいてくれて、本当に助かったわ」

上山由美子さんは板橋事業所で働いていて、週に3回下川さん宅へデイリーコープの配達をしている。
「よく気の付く人でね、当初、一言メッセージと電話番号を毎回書き添えて渡してくださって、親切なんです。今でも取ってありますよ。彼女に会うのも楽しみ」下川さんは笑顔でそう続ける。
「車の運転が好きで50年運転してきましたが、夫はもう免許を返納したし、次の更新のタイミングで私も返納する予定です。思えば、私は50年前、航空会社の国際線キャビンアテンダントとして働き、空を飛ぶ機内でステーキを焼いたりしてお弁当(機内食)を乗客に出していたんですよ。今はお弁当を作っていただいて届けてもらっている。作る側から作られる側になったのね」

飛行機が大好きだと懐かしそうに話す下川さんの自宅には、飛行機の写真のカレンダーが掛けてある。年月が経つということは、くらしの形が変化するということ。くらしへの思いが詰まった宅配の注文商品。毎日のコープは、くらしの形が変わっても、下川さんらしく生きる助けになっているのかもしれない。

※コープデリ連合会の子会社である株式会社トラストシップの事業所。委託され配達を担っている

illustration:Maiko Dake

※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。

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