エピソード56戦争のことを知る勇気
2025年7月17日 UP

今年は被爆・戦後80年。次世代への継承が大きな課題となる中、コープぐんまでは2018年から子どもたち同士で戦争のことを学び、平和の大切さを伝え合う「ピースクラブ」に取り組んでいる。県内在住の小学4年生から高校生を対象に、5月から9月ごろまで全5回。地元の
高校3年生の
意見交換や発表が好きな瑠那さんにとってピースクラブの活動は楽しく、翌年も参加。全国の生協の組合員やその家族が参加・交流する「ピースアクションinヒロシマ」内で開催された「子ども平和会議」にも、ピースクラブメンバーとして2度参加した。中学以降も折を見て活動に関わり、昨年の夏には3度目となる広島で子ども平和会議に参加。「核兵器や争いごとをなくすためには」というテーマで話し合った。「小学生のときとは違い、核の抑止力などを知った上で答えを出すのはとても難しかった。でも、争いの芽を摘むためには、遠回りでも人々が普段から互いを思いやり、理解を深め合うことが大事だ、という話ができました。小さい頃から平和学習をしている広島の高校生とも話し、刺激をもらいました」

昨年11月に修学旅行で訪れた鹿児島県の
自分とつながりのある人のことを考えると、戦争を自分に近い出来事として捉えることができるのかもしれない。「私のひいおじいちゃんも、戦争に行って帰って来なかったそうです。私たちが今こうして生きていられるのは、当時を生き抜いた人たちのおかげ。戦争のむごい光景や出来事を知るのは怖いことだけど、みんなが忘れてしまえば、きっとまた同じことが起こってしまう。知ろうとすること、伝えようとすることが大事だと思う」と話す瑠那さんは、小学校の教員を目指している。多くの体験を通じて平和の大切さを知る瑠那さんは、それを伝える勇気も持っているに違いない。
illustration:Maiko Dake
※一部店舗のない生協・地域があります。
※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。
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