エピソード54忘れられない職員
2025年4月17日 UP

シングルマザーの
離婚を機に実家近くのアパートに引っ越した美香さんは、「コープの牛乳が一番おいしい」と言う長女のために、宅配の利用を始めた。「配達担当さんは何回か替わりましたが、その人はとても親切で感じが良くて。中でも感謝しているのが、CO・OP共済の加入をすすめてくれたことです」
それはケガの保障が手厚い子ども向けの《たすけあい》ジュニアコースで、当時は長女が小学3年生、次女が保育園の年長だったが、「大きくなれば自転車で友だちと出かけることもある。入っておいた方がいいですよ」と言われた。普段なら営業は断る美香さんだが、その配達担当者が美香さん親子を心配して言ってくれているのが分かったので、話を聞いた。月々の掛け金に少額をプラス(現在は月160円)するだけで、他人にケガをさせた場合の保障ができ、家族全員をカバーできる「個人賠償責任保険」に絶対に入った方がいいと教えてくれた。後日、共済の担当者から詳しい説明を受けたときも、同席してくれた。
それほど高額ではなかったので共済に加入すると、すぐに役に立った。次女が別居の義理の姉にケガをさせてしまったのだ。「転んで顔面に頭突きする形になり、お
その後、次女のケガが続いた。小学生のときは鬼ごっこで転んで腕の骨にひびが入り、中学では体育の授業で足首を骨折。昨年は部活のバレーボールで
感謝していることは他にもある。「宅配を直接受け取りたいとお願いして、他の方の配達の後に来てくれていました。母子家庭ということもお話ししていたので、いつも子どもたちを気にかけてくれて。受け渡しのとき、私の後ろにいる子どもたちによく話しかけてくれました」
高校生の娘さんもその配達担当者をよく覚えている。「たまに私が出ると、『お母さんはまだ?一人で大丈夫?』と心配してくれて、うれしかったですね。元気でノリのいい人で、コープの配達がある金曜日が楽しみでした。母が父と別れた後で、当時は男の人が苦手だったんですけれど、その配達担当さんのおかげで苦手意識がなくなりました」
最初の事故の後、すぐにお礼を伝えたかったが、担当が替わり名前もわからなかったため、その人にお礼を言えなかった。「そのことが本当に心残りで。時間は経ちましたが、感謝の気持ちはずっと変わりません」と話す美香さん。10年近く経った今も、あのときのお礼を伝えたいと、切に願っている。

illustration:Maiko Dake
※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。
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