人と人 つながりの物語 コープデリグループの組合員数は約540万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。人と人 つながりの物語

エピソード53当たり前に感謝

2025年2月20日 UP

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エピソード53のイラスト

前橋市在住のKさんは、コープぐんまの宅配を利用して7年ほどになる。配達を担当するのは、当初からずっと大崎さん。天気など他愛のない会話を交わすだけだが、変わらず同じ人が来てくれる安心感がある。「スマホで配達時間を確認していますが、毎週大体同じ時間に来てくれます。トラックの扉を開け閉めする音と、飼い犬の声で分かりますね」とKさんは話す。そんな風に毎週同じ時間に品物が届くのが当たり前になっていた去年の冬、大崎さんの一言にハッとしたという。
「いつものように商品を持ってきてくれたときに、『そこの道路を雪かきされたのはKさんのお宅ですか?』と聞かれて『そうです』と答えたら、『すごく助かります』と言われたんです」

雪の多い地域ではないが、年に1~2回は積もる。Kさんの家は通りから少し坂道を下ったところにあり、雪が積もるとKさんの義父が家の前の坂道を100メートルほど、通りがある上の方までトラクターで除雪している。
「うちは農家なので、義父や夫は毎日トラックで自分たちの田んぼや畑まで出かけます。だから自分たちが通れるように除雪しているんです。私たちにとっては当たり前のことでしたが、普通は道路まで雪かきしないですものね。お礼を言われて、配達の大変さに気付かされました。雨の日も頭がぬれていて驚きましたが、考えてみれば両手がふさがっているから傘もさせませんよね」

Kさんは大崎さんの苦労を思いやるが、お義父さんの雪かきには、大崎さんだけでなく近隣住民も感謝しているに違いない。


8年前に三重県から引っ越してきたKさんがコープに加入したきっかけは、2人目の出産時に産婦人科で案内された、コープぐんまの「はじめてばこ」だ。赤ちゃんが生まれた県内の家庭を対象とした上毛新聞社主催の子育て支援プロジェクトで、申し込むと協賛企業のプレゼントの詰め合わせが届く。特別協賛しているコープぐんまが各家庭に配達している。
「三重でもコープを利用してはいたのですが、近くにスーパーがあったのであまり活用できていませんでした。今は近くにお店がないので重宝しています」と話すKさんは、夫とその両親、3人の子どもと暮らす7人家族。お子さんは上が小学3年生で、一番下は幼稚園の年少と、まだ手がかかる。「やっぱり重いものを持って来てもらえるのが便利ですよね。自分たちで作っている野菜やお米は必要ありませんが、根菜はよく頼んでいますし、うちは大人も子どもも牛乳をよく飲むので毎週4本頼んでいます。1日1本ペースでなくなるので本当はもっと頼みたいところですが、冷蔵庫に7本は入らないので。ほかにすごく助かっているのは、夏場にアイスを届けてもらえること。溶けないうちに買って帰るのは無理ですから」

チキンナゲットやたこ焼き、たらこ、芋けんぴなどもよく買う。小学校に上がる前は、大崎さんが来ると子どもたちがわれ先にと玄関に向かい、商品の入った袋を受け取りたがった。「今、大崎さんが子どもを見ると『大きくなりましたね』とびっくりしています」とKさんは笑う。

当たり前の毎日が続くこと。当たり前にやっていること。そのことが、誰かを助けていることがある。

エピソード53のイラスト

illustration:Maiko Dake

※このお話は、実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、物語にしています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。

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