



きれいな伊平屋(いへや)の海が育てた、歯応えのよいもずく
透き通った海、太陽の光、温かな水温がもずくを育てる
伊平屋村漁業協同組合
モズク生産部会 部会長
諸見祐二さん
底まで透き通った、コバルトブルーの海。水面は太陽の光できらきらと輝いています。「CO・OP伊平屋島産味付太もずく(土佐酢)」のもずくの産地、伊平屋島は沖縄県の最北端にある離島。さんご礁が育つ海やウミガメが産卵する場所を守る運動を行っており、手付かずの自然が多く残っています。
「もずくは、『リーフ』と呼ばれるさんご礁の浅瀬に、胞子を付けた網を固定して育てます。さんご礁が自然の防波堤となって波を緩やかにし、もずくを守ってくれるんですよ」と、話すのは伊平屋村漁業協同組合モズク生産部会の諸見祐二さん。
もずくの成長には透明な海とともに、太陽の光、温かな水温が必要不可欠。海が透き通ってきれいでないと、太陽の光が水中のもずくに届きません。諸見さんは、「もずくと海は、野菜と畑のようなもの。伊平屋の海は栽培の条件がそろっていて、しかも潮の流れが速いから、もまれて引き締まったもずくができるんです。歯応えがシャキシャキしていてコシがあるんですよ」と、うれしそうに話します。
仲間たちと「雑草」を生やさない技術を研究
「毎日海に通って雑草を取り除いています。もずくに愛情を注げという意味で、『さぅとぅちかせ(足音を聞かせろ)』という言葉があるんですよ」
もずく以外の海藻は「雑草」として扱われるため、海の中で取り除かなければなりません。雑草取りは冬の冷たい海の中で行う大変な作業。「2時間くらい海に入ったままなので、寒くて手が固まってしまうんですよ。でも、雑草を取らないと、もずくがよく育たないんです」と諸見さん。そこで、伊平屋村漁協では雑草が生えにくい方法を考案し、もずくだけを成長させて生産量を増やすことに成功しました。その方法とは、網を入れる場所をこまめに変えること。場所によって、もずくや雑草の成長具合が変わることを利用し、まず雑草が生えない所に網を入れ、ある程度育ったところで別の場所に網を動かすといいます。
「島中の海を全部回って、どこがもずくだけがよく育つ場所なのか試しました。潮の流れが速いところから穏やかな場所に移してみたり、順番を逆にしたり。移動のタイミングも重要で、それで生産量が驚くほど変わってくるんですよ。結果が出るまでに5、6年かかりました。研究中は利益が出なかったから、投げ出したくなる時もあったなぁ。でも、仲間の役に立ちたいと思ってやり抜いたんです」。諸見さんからは、もずく栽培に対する熱い思いが伝わってきます。
海中に沈めてあるもずくの養殖網
もずくは、掃除機のようなホースで吸い上げて水揚げする
心を込めてお届けするもずくを「たくさん食べて!」
近年、伊平屋村漁協のもずく生産は、厳しい状況に陥っています。消費量が減って価格も低迷しているため、昨年は40人ほどいた生産者が、今年は約半分にまで減ってしまったといいます。
諸見さんは、「生産する能力があるのに、栽培量を抑えている状態です。せっかく若い後継者がいても、続けていけなくなってしまうのは残念。私たちはもずく栽培が主力の漁協なので、島の経済のためにも、もっとたくさん食べてもらいたいです」と、話します。
伊平屋村で育ったもずくは、(株)海産物のきむらや(鳥取県境港市)が加工しています。塩漬け後、温度管理されて届いたもずくは、人の手で丁寧に異物を取り除いてからボイルします。こだわりの調味液は、酸味がツンとこない米酢と本醸造しょうゆがベース。そこに砂糖と、すっきりした甘さを引き出すためにはちみつを加えます。そして仕上げの追い鰹でまろやかなうま味を生み出し、子どもにも食べやすい味付けとなっています。
常務取締役の足川昇さんは、「伊平屋の皆さんが心を込めて育てたもずくのコシが生きるように加工してお届けしています。ぜひ伊平屋村のもずくの歯応えを味わってみてください」と、自信たっぷりに話してくださいました。


